【新創業融資制度とは?会社設立時に使える融資を税理士が解説】

2024.03.25

新しいビジネスを始める際、資金調達は重要な課題です。その中でも、特に会社設立時に必要な資金を確保するために利用できるのが「新創業融資制度」です。この制度は無担保・無保証人といった柔軟な条件で融資を受けることができ、多くの創業者にとって頼りになる存在となっています。この記事では、新創業融資制度に焦点を当て、その利用条件、メリット、デメリット、および具体的な利用方法について詳しく解説します。

1. 会社設立の融資は無担保・無保証人の「新創業融資制度」が基本

① 新創業融資制度を利用できる条件

新創業融資制度を利用するためには、いくつかの条件があります。

(1)確定申告2期以内
(2)希望融資額の1/10以上の自己資金を有する
(3)事業計画や資金使途などを明確に示すことが出来る
(4)公共料金等の未納が無い

これらの条件をクリアすることで、新創業融資制度を利用する資格を得ることができます。

② 新創業融資制度のメリット

 新創業融資制度の最大のメリットは、無担保・無保証人という柔軟な条件で融資を受けられることです。これにより、担保や保証人を用意する手間が省け、多くの創業者にとっては心強いサポートとなります。また、低金利や長期優遇など、他の融資手段に比べて優れた条件で資金調達が可能です。

③ 新創業融資制度のデメリット

 一方で、新創業融資制度にはいくつかのデメリットも存在します。まず、利用条件が厳しいため、一部の創業者が利用できないことがあります。また、融資金額も限定されているため、大規模な事業展開を考える場合は他の手段も検討する必要があります。さらに、返済期間や返済額についても検討が必要であり、資金計画を慎重に立てることが重要です。

④ 新創業融資制度は全ての創業者におすすめの融資

 総合的に見ても、新創業融資制度は多くの創業者におすすめの融資手段です。特に、担保や保証人に不安を抱える創業者や、他の融資手段にアクセスしにくい場合に適しています。ただし、条件をクリアし計画的に活用することが成功への鍵となります。

2. 会社設立時に使える日本政策金融公庫の創業融資まとめ

新創業融資制度以外にも、日本政策金融公庫が提供する創業融資も利用できます。これには様々なプランがあり、創業者のニーズに合わせて選択できます。

① 新規開業資金

 まず、新規開業資金の融資プランがあります。新創業融資制度が確定申告2期以内の事業者のみを対象としているのに対して、新規開業資金は起業後7年以内までを対象としているので、より幅広い事業者が融資を受けることが出来ます。この制度も事業の初期費用や資本金として必要な資金をサポートするもので、創業者にとって心強い味方となります。
しかし、金利は新創業融資制度に比べて高めに設定されており、保証人や担保も必要になる場合があるので注意が必要です。

② 女性、若者/シニア起業家支援資金

 日本政策金融公庫は、女性起業家や若者、シニア起業家に特に焦点を当てた支援資金も提供しています。この制度の特徴は、自己資金の要件がないという点です。新創業融資制度の要件(希望融資額の1/10以上の自己資金を有していること)を満たすほどの自己資金はないけれど、起業したいという方にとって大変心強い制度になります。
これにより、様々な世代や性別の創業者がより柔軟に資金調達できるようになり、多様性を重視するビジネス環境の構築が進むことでしょう。

3. 会社設立時に利用できる制度融資(地方自治体)

 地方自治体も独自の融資制度を提供しており、会社設立時の資金調達に活用できます。これには、地域振興や雇用創出を促進する目的が込められており、地元の経済発展に寄与することが期待されています。

4. 返済義務がない「補助金・助成金」も最大限活用しよう

 融資だけでなく、返済義務がない補助金や助成金も資金調達の重要な要素です。これらの制度をうまく活用することで、事業の立ち上げや成長を支援することができます。税務上のメリットもあるため、積極的に活用することが賢明です。

5. 融資を検討する際に気を付けるべきポイント

 最後に、融資を検討する際にはいくつかのポイントに注意する必要があります。それは、利用条件や金利だけでなく、返済計画や事業計画の整備、将来のリスクに対する備えなどです。慎重な検討と計画が、安定した事業運営への道を拓きます。

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